家 島
飾磨港から家島汽船に乗る。約40分ほどで家島本島の真浦に着く。ここで乗客や荷物の積み下ろしをあわただしく済ませた船は、狭い湾内を器用にUターンして、すこし引き返し気味に湾口に近い宮港に向かう。桟橋を左の方にしばらく歩くと、家島神社の鳥居が見えてくる。鳥居のすぐわきにひっそりと万葉歌碑。かなり急な石段を覚悟して上る。
やっとの思いで段を登りきり、左に折れると社殿が見えてきた。照葉樹の原生林に囲まれているため、見晴らしはそれほどよくないが、北に突き出た岬の突端に位置しているようだ。このあたりを天神の鼻というそうだが、道真公もこの家島で風を避けたのだろうか。
南の方に続く緩やかな坂道を上っていくと眺望のきく公園があった。ここから見おろすと、この天神の鼻が、嵐のとき湾内に逃げ込んだ船を、風や大波からしっかりガードしたのがよくわかる。この神社が、古代から海の守護神として、瀬戸内を旅する船人から厚い信仰を受けてきたのは当然のことである。
帰りは、真浦まで歩くことにした。
それにしても、往還の万葉人達はこの地で風待ち、潮待ちをしながら、どのような感慨を抱いたのか。風土記に「ひとびと家を作りてをり、かれ家嶋となづく(ひとびとが家を作ってここに住んだ、だから家嶋と名付ける)」と記載された当時のひとびとの暮らしぶりはどのようなものであったか。
どこまでが宮地区で、どこからが真浦地区か気がつかないうちに、真浦港に着いていた。ちょうど姫路から船が帰ってきた。降りてきたのは、ほとんどがサラリーマンや学生のようであった。どこからともなく魚を焼くにおいが流れてきた。
【姫路港より家島汽船・宮にて下船・1日5便】
- 「家島」は、通常イエシマといわず、エジマといっています。
- 姫路から真浦までは、便数も多く便利です。
- 家島には古代人の信仰を集めたものとして「コウナイの石」があります。
西島の山頂付近、海抜200メートルの岡の上にそそりたつ高さ9メートル直径7メートルの巨岩です。
写真1
写真2
写真3
- 写真3の中央は西島のすぐ西にある院下島、その左上あたりに牛窓が見えます。
- 牛窓まではおよそ28キロ、一日の航程だと思われます。