ハワイと万葉

  ハワイへ旅行したひとなら、誰だってフラダンスを見たことがおありでしょう。このフラは、踊り手の所作のひとつひとつが、自然現象や、人間の感情や動作を表現しており、本来は、恵みに感謝して、神に捧げられた厳粛な舞踊だったといわれています。
  1820代、キリスト教の宣教師が布教を始めると、ハワイの生活様式や伝統的な風習に変革がおこり、やがて、フラは卑猥のものとして禁止されてしまいました。その後、カラカウア王のハワイ復古政策によって復活するのですが、その時、タヒチアンダンスの要素が取り入れられたり、楽器もシンプルな打楽器から、移民が持ちこんだギターやウクレレに変わったりしてしまいました。現在のフラは、古典フラとくらべて、かなりショーとしての性格がつよくなったといわれています。
  この古典フラは、人間が神に語りかけるという点で、なにか万葉と共通のものがあるように思えてならないのです。また、その時歌われていたハワイのオリジナルな歌のメロディーと、歌詞はどのようなものだったのでしょうか。ほんとうに、興味はつきません。
犬にもレイ?   やっとホノルル空港に到着し、入国審査を終えた観光客のだれもが、レイで暖かく迎えられた時にはじめて、ああ、ここはハワイなんだということを、しみじみと実感しますね。あのレイは、ふつう香りの良い美しく花で作られていますが、花以外のレイがあるのを、ご存知でしょうか。  ハワイの八つの島々には、それぞれの島を代表する草花や、木の葉や、海草で作られたレイがありますが、なかでも、ニイハウ島の貝殻で作られたレイは、それは立派なものです。折にふれ、ハワイの人達は、レイを作り、神にお供えし、自分の身につけて神の霊力を得ようとしたのでしょう。カメハメハ大王の像に掛けられた巨大なレイも、女性の頭に巻くハクと呼ばれる花飾りも、きっと同じ作用があるにちがいありません。  カラカウア王が、世界一周の旅に出発する時、その汽船は船首から船尾まで、レイでうまってしまうほどだったと、記録は伝えています。
  ふだん、何気なく見ている舞妓さんのかんざしに、レイと同じような力があることを、感じている人は少ないかもしれません。しかし、お正月には、どの家も門松を飾っています。日本人も、ハワイの人達にはおよびませんが、まだまだやさしい心をなくしきってはいないんですね。
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