風早の浦に船泊りせし夜に作る歌二首
『わが故に
妹嘆くらし
風早の浦の沖辺に
霧たなびけり(3615)』
『沖つ風
いたく吹きせば
吾妹子が
嘆きの霧に
飽かましものを(3616)』
沖に漂う霧が懐かしい妻の吐息なら、思う存分吸いこんでみたい。
でも、ここは風早だというのに、この日は風がなかったようで、沖の霧をこちらの ほうに吹きよせてくれません。